カテゴリー: 名曲選
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レコード発掘していて見つけたら嬉しい⦿ステレオを超えた未来的な音響効果を追求したラウンジ・プロジェクトを牽引した一枚
バーンスタイン作曲、《ウエストサイド物語》が初演された日(1957年)。シェイクスピア作『ロミオとジュリエット』に着想を得て、当時のアメリカのタブーである人種間の差別などの社会問題も取り入れ、8年7カ月に及ぶ制作期間を要した。また今では当たり前となっている”ひとりの俳優が歌とダンスの両方をこなす”という表現方法は、本作によって確立された。
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何十年もクラシック音楽を聴いてこられたオールドファンにとってオイストラフはやはり特別な思い入れがあるヴァイオリニスト。
ステレオ初期のブラームス・ダブルコンチェルトの決定盤。全盛期オイストラフの圧倒的な技量と推進力、それに一歩も引けを取らないフルニエの緊張感あふれる掛け合いは、永遠の名盤と呼ばれるにふさわしい。入手困難オリジナルB/S盤です。細かな擦れ跡が結構あり、細かなノイズはそれなりにありますが、大きなノイズは無いため[EX]評価としております。
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名曲を作曲家自演盤で聴いてみませんか ウィンナ・ワルツの父と王 ヨハン・シュトラウス親子の音楽
ウインナー・ワルツの創始者、ヨハン・シュトラウス1世が没した日(1849年)。毎年元旦にウィーン・フィルが開催する恒例行事、ニューイヤー・コンサートのアンコール曲といえば「ラデツキー行進曲」だが、この曲も彼が作曲した。当時から「ヨハン・シュトラウスを知らなければウィーンを知っていることにはならない」と言われるほど、彼の音楽はウィーン市民の誇りであり、今もなお世界中で愛されている。
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耳で観る、朗読劇☆LP史に残るデザイン マルケヴィッチ指揮アンサンブル・ド・ソリスト ストラヴィンスキー・兵士の物語
朗読と演劇、バレエを総合した舞台作品ですが、ストラビンスキーと交友のあった20世紀の大詩人ジャン・コクトーが語り手を勤め、コクトーと交友のあったマルケヴィッチが指揮して、名手モーリス・アンドレが参加というだけで、最上の名盤と言えます。更に特徴的なのは、通常語り手が受け持つ説明の一部をそれぞれの役に割り振ったり、通常パントマイムのプリンセスにセリフを割り当てたりして等々前例がないストラヴィンスキー創作の頂点とも云えるのでは・・・
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音楽の感動を言葉に直すことの魅了 ― 自身の耳と心で感じた音楽の質を率直に著す吉田秀和の豊かな言葉は人々の道標となった。
評論家・吉田秀和が生まれた日(1913年)。著作は多数あり、指揮者フルトヴェングラーなど巨匠音楽家らの音楽に触れ、また当時日本では未知の存在だった作曲家ジョン・ケージやピアニストのグレン・グールドなどを日本の聴衆に紹介した。音楽教育にも貢献し、桐朋学園大学音楽学部の母体である「子供のための音楽教室」の創設にかかわり、小澤征爾、中村紘子らを育てた。
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新型コロナウイルス感染は戦争の脅威以上か ― 神々の破滅を描いた《ニーベルングの指環》序章《ラインの黄金》が鳴り響いた日
1869年の本日、ワーグナーの代表作である舞台祝祭劇『ニーベルングの指環』4部作の1作目、『ラインの黄金』がミュンヘン宮廷歌劇場にて初演された。こののち『ヴァルキューレ』が1856年、『ジークフリート』は1858年から1864年にかけての中断をはさんで1871年、『神々の黄昏』は1874年に完成する。
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武満徹の録音も多く、日本で馴染みのなかった作曲家を紹介 ― 作曲家、ピアニストの高橋悠治が生まれた日
作曲家、ピアニストの高橋悠治が生まれた日(1938年)。80歳を超えた今も現役だが、戦後日本と西洋との橋渡し役としての功績は大きい。例えばコンサートでサティ、クセナキス、ウェーヴェルンなど、まだ日本で馴染みの無かった作曲家の作品を多く取り上げたり、武満の録音も多い。また、執筆活動も旺盛で、作品同様その研ぎ澄まされた感性が言葉の端々に滲み出ている。
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プレミアム盤撰 ― 決定盤〝ウラニアのエロイカ〟、デ・ヴィートの高額盤、セルが生涯愛していたシューマンの交響曲
1953年に米ウラニア社から発売され、フルトヴェングラー自身の訴えによって一時発売が中止され幻と化した、高名な“ウラニアのエロイカ”が入荷いたしました!! いまだ決定盤と言われる名演奏、1944年とはとても信じられない生々しい音質、すべてが圧倒的なオリジナル盤です。細かな擦れ跡はありますが、ジリパチノイズ程度で、周期的なスクラッチノイズはありません。
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驚嘆すべきピアニズム★一気呵成に弾ききる ウラディミール・ホロヴィッツ リスト・ソナタロ短調、シューマン・ピアノ曲集
古典派、ロマン派、現代音楽、新ロマン派音楽、こういうレッテルは未熟な演奏家の教育に役立つどころか、むしろ妨害になる。聴衆は知的な解釈に反応するのではなく、只管フィーリングの共感に反応する。ロマンティックの定義を『強い愛 […]
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クラシック〝不滅〟の名曲を聴く フィンランド国民を勇気づけた独立賛歌 シベリウス作曲〜交響詩《フィンランディア》
フィンランドを代表する作曲家、シベリウスが没した日(1957年)。彼の音楽はフィンランドが当時置かれていた政治状況や、歴史や叙事詩といった文化的側面など、フィンランドという国にまつわるあらゆる要素を、ごく自然に音楽に取り入れたことが、最大の功績とも言える。その多くは交響詩《フィンランディア》に代表される管弦楽曲や歌曲などにモチーフとして、あるいは精神的なものとして反映されている。